「読むだけで養生できる?」東洋医学のある暮らし漫画『しあわせは食べて寝て待て』のすすめ

画像出典:『しあわせは食べて寝て待て』水凪トリ/(秋田レディースコミックスデラックス)

【読むだけで養生できる?】

東洋医学のある暮らし漫画『しあわせは食べて寝て待て』のすすめ

「東洋医学って、なんだか難しそう」「鍼灸や漢方って、特別な人のもの?」

そんなふうに思っている人にこそ、読んでほしい漫画があります。

水凪トリさんの『しあわせは食べて寝て待て』は、季節の変化や心と体の調子に寄り添いながら、自分を大切にするヒントがたくさん詰まった一冊。
養生(ようじょう)=心地よく暮らす知恵を、やさしく教えてくれる作品です。


▶ あらすじと見どころ

主人公は、ちょっと心と体が疲れてしまったOL・つぐみさん。
仕事を休んで、祖母の古民家で静かに養生生活を送ることになります。

そこで出会うのが、東洋医学や薬膳の知識に詳しい謎の青年・日向くん。
「気・血・水」「五臓」「冷え」「未病(みびょう)」といった、東洋医学のキーワードが自然に登場しながら、つぐみさんの心身が少しずつ整っていきます。

日常に活かせる薬膳の知恵、冷え対策、お風呂の入り方、感情との付き合い方まで、
「これ、私もやってみようかな」と思えるヒントがたくさん散りばめられています。

何よりも、“がんばらない”“ちゃんと休む”という東洋医学的な考え方が、物語の根っこにあるのが魅力です。


▶ 鍼灸師から見た推しポイント

実はこの作品、東洋医学の理論が意外としっかりしていて、臨床でよく見る“なんとなく不調”への向き合い方が的確なんです。

鍼灸や漢方に興味はあるけれど、なんとなく敷居が高いと感じている人にとって、
この漫画は“入口”としてとても優秀。

「なんとなく不調なとき」「今のままでいいのかな」と思ったとき、
自分をゆっくり見つめるきっかけとして、そっと寄り添ってくれます。

東洋医学を専門とする立場から見ても、“現代人のための養生漫画”としてかなり推せる一冊です。


▶ おわりに

養生って、特別なことじゃなくて――
「おいしく食べて、ぐっすり眠る」そんな当たり前のことの大切さを思い出させてくれる時間。

水凪トリさんの『しあわせは食べて寝て待て』は、読むだけで心がふっと緩む、
まさに“自分をととのえるための一冊”です。

気になる方はぜひ、手に取ってみてくださいね。

おすすめの記事